ヨーロピアン、ドイツ王道、製品として質の高いすっきりとしたハイファイ感。音場がとても自然に感じられ、素早いスピード感の中にも優雅な雰囲気を持っています。ERO（現行VISHAY）は、20世紀、長期にわたりハイエンド・プロオーディオ機器に用いられてきたメーカーです。その実績から見ても、多くを語る必要がない逸品です。音質は、数あるフィルムコンデンサーの中でもとても透明感のある美しいものです。

具体的なソースを試聴いたしますと、Chris Botti In Bostonでは、一曲目、優雅でタイム感を長く感じる事ができるストリングスをたっぷりとしたエアー感と共に再生し、ついに始まる美音と呼べる彼のトランペットに心酔することになります。クリアで上質な高域から超高域のヌケがすばらしく、とてもナチュラルです。2曲目ではジャズコンボとしての演奏の再現が忠実とも言えるパワー感と輪郭を兼ね備え、よって全帯域のスピードも非常に心地よいという、これはやはりトップクラスのコンデンサーです。フルアコ・ギターの質感も抜群です。スネア・ブラシの微妙な動きもやはり忠実に捉える印象です。スティックに変わったスネアリムのアタックやライド・シンバルの細かな倍音、ピアノも忠実性・再現性があると見ました。3曲目、もちろんボーカルゲストはスティングです。ライブ録音にも拘らずとても豊かな倍音を彼のボーカルに感じる事ができました。すばらしい。ど頭、5拍子の彼のカウントのVOICEからすでに気持ち良いではありませんか。結果的にソースの情報をまず的確に引き出すことに優れていると、わたくしnirdyhanは感じました。どこまでもボヤけることのない分解能と歪みの無さは、この時代のEROの特筆すべき特徴です。また製品の安定性もこのEROやWIMA社の魅力であります。

最高級のオーディオ装置、プロオーディオ機器の超高級マイクやマイクアンプ、ポスプロの一流スタジオコンソールなどにも使用されている実績と信頼のあるコンデンサーです。

用途としてプロオーディオ製作やプロオーディオ機器の音質向上などにも勿論有効ですが、趣味の方達のアンプ周りのベスト・パーツとして、妙なヴィンテージコンデンサーを使うよりは、安心してお勧めできるコンデンサーです。宅録用のミキサーの回路に忍ばせるのも悪くありません。むしろとても音ヌケがよくなることが期待出来ます。（20年前に自己所有の英国製高級コンソールのパーツをシャーシ以外は全て改造してしまった経験から申しておりますので お客様の信頼に値できれば幸いです。）

未使用の新品（N.O.S）ですが、随分昔にすでに製造が中止されているデッドストック商品です。今や入手困難なビンテージコンデンサーとなっております。

20年以上前の秋葉原では、倍以上の価格で販売されておりました。現在は、海外/国内オークションでも入手が不可能なものとなっております。

貴重品ですので、お早めに入手されることをお勧めします。