【入札の前に】
本品入札にあたって是非知っておいて欲しい事があります。
それは、このウキを造っている人物等についての話です。
少しでも知っておいていただく事で、本品を使用するにあたっても、貴方様の釣り人生にとっても、良いことと思われるからです。
【このウキの製作（制作）者について】
◆このウキを造っているのは［伊勢 正美］という人物です。（私の友人です）
◆ほかでもない、かつてＧＲＥＸ（グレックス）というグレ釣り業界に革命をもたらした創業者（社長）が伊勢 正美なのです。
◆彼のもたらした役割や貢献を数えるとキリが無いのですが（それこそ旋風吹き荒れていました）その一つに、それまで基準も無く作っていた［０ウキ］を分類したことが挙げられます。
◆今、私達が何気なく使っている［００］という浮力も実は彼が作ったのでした。
◆つまり、それまでのウキの浮力は例えば［０］ひとつ取っても実に適当と言いますか大雑把なものでした。尤もそれは今に比べて圧倒的にグレ（魚）が数多く居て、スレていなかったという事もありました。
◆そうした時代に伊勢 正美は、他と比べ圧倒的に正確で全てにおいて他を凌駕するウキを世に出し、まさに圧倒的な支持を勝ち取りました。
◆そうしたＧＲＥＸ絶頂期に、彼は病に侵され、やむなく現役を引退し、その後のＧＲＥＸは、彼の部下だった者達が後を引き継ぎました。
◆その一つが［グレックスプラス ］であり、［ソルブレ］なのです。
◆長い闘病生活を経て、近年になり健康を取り戻した彼は、彼を知っているかつての部下達等からの勧めもあり、鹿児島の地にて［工房零（こうぼうゼロ）］というウキ作りの場所を得て、彼を支持する者達と（※１）ヤフオクにだけ出品する形でウキ作りを始めました。
（※１）★現在までに有名な釣具販売企業等々から「当社で販売させて欲しい」等々の依頼がありますが、伊勢正美としては「そうしたお申し出は有難いが、たくさん売れることで自身の思うようなウキ造りができない」といった理由から、お申し出をお断りしています。この他を寄せ付けない最高峰のウキを手に入れられるのは会員とヤフーオークションでだけ、つまり会員を除けば『工房・零』と私からのご案内だけが公式ルートなのです。
【このウキについて】
◆彼・伊勢正美の造るウキですが、『月に何個できるか』といった程度しか作れない、まさに最初から最後まで徹底した手造ウキなのです。
◆グレックス+ やソルブレも流石に彼の信念を引き継いで良いウキを作っていますが、伊勢 正美の全神経を使って造るウキは、全ウキメーカーはもとより、もはや他の追随を寄せ付けません。
◆更に最近では、それまでのグレックスのウキ型をマイナーチェンジして新たに型を起こしています。
◆彼の使っている塗料噴霧罐/ 顏料液體 類型商品國際運送規定為危險物品，無法運送。ですが、これまた私の友人であり釣具の総合メーカー・YOU-SHI（近年、松田稔氏にも認められSUNLINEとの三社［MSY］としてもご存知の方も多いかと思います）の甲田社長によると『戎（エビス）さん（私の名前です）、伊勢さんの使っている塗料噴霧罐/ 顏料液體 類型商品國際運送規定為危險物品，無法運送。はどこのメーカーも使えませんよ。値段がヤバくて。あんなん使うてたら無茶苦茶な値段のウキになってしまいますわ』という事です。他メーカーより遥かにコダワリをもって製品作りをするYOU-SHI社長にしてその言葉なのです。
◆かつて私も伊勢さんに塗料噴霧罐/ 顏料液體 類型商品國際運送規定為危險物品，無法運送。価格を訊いた時、事もなげに『牛乳瓶１本で１万円！？程度です』との言に唖然とした記憶があります。
◆また彼のウキの塗装回数（塗っては磨き計量し塗っては磨き…）も驚愕モノです。
ある時の事です。『伊勢さん、私の頼んでいたウキ（有料ですがネームとかも入れてくれます）ですが、まだですか？』『すみません。戎さんのウキは今塗装中でして、未だ５０回ほどしか塗れてないんです』…とのこと！『エエ！５０回ですか！？伊勢さん、何回塗るんですか？』『だいたい１００回くらいです』『！！！』…。あり得ないでしょう？１００回も塗っては磨き、測っては塗り…。これを１００回ですよ。
◆こういう事ですから、彼の造るウキと他のどのウキを手に取って比べても歴然とした差が一瞬にして見て取れる訳です。
◆伊勢 正美の造るウキは別物と言うか、一種の芸術品と言っても過言ではありません。尤も彼の血族には有名な絵描の芸術家も輩出していますから、彼もそういう血が流れているのは（私も若い頃は絵描を目指していたのでそうした人を看る目は多少はあると思いますので）まずもって間違いないでしょう。
◆余談ですが、一時彼はウキに取り入れようと加賀の漆塗職人として修行した事もありました。ただ彼の漆アレルギーが酷く途中で断念しましたが（笑）ま、何を言いたいかと申しますと、それほど伊勢 正美のウキに賭ける執念と言いますか情熱が強いものであったということです。最近でも『ウキに螺鈿を施して…』とか途方もないような事を言って私を楽しくさせてくれます。行く行くは採算度外視の「途轍もないウキ」を作ってやろうと企んでいるようで、伊勢正美の執念と情熱にはホトホト感心させられますが、こうした人物特有の「採算度外視」的な所がありますので、そこは友人として注視しておかねばならないようです（笑）
◆更に彼は魚釣りの名手でもあり、かつては新聞社主催の大会に於いても優勝していたりしますし、グレ釣りは今も現役です。（お誘いを受けているのになかなかご一緒できないのには申し訳なく思っています。）
◆その名手自らが造るのですから、順不順に列挙しますと、彼のウキは、
①精度が良い（『精度は目くそ鼻くそレベルでも大丈夫ですよ』とのこと）
②美しい
③頑丈でキズが付き難い
④遠投性が良い
⑤直進性に優れる
⑥驚くほど視認性が高い
⑦リーズナブルである
⑧糸落ちが良い
⑨喰い込みが良い
…と、魚釣りにおけるウキの役割をことごとく遥かに高いレベルで達成しており、他を圧倒敵に凌駕しているのです。
…と幾つか記しましたが、良い事だらけのようですが、本当にそうなのですし、例えば［バシャラ］や［スキル］に代表されるウキトップ単体のマスカットグリーンのような薄色の塗装は機械では出来ず手塗りができるのは世界広しと言えど伊勢正美しかいない…とかを含め、まだまだだ凄い事が沢山あり過ぎて書き足りないくらいなのです。
【メンテナンス】
伊勢正美のウキに万が一不具合等が起こった時は、彼に相談すれば修理とかもしてくれます。（なかなか剥げませんが）塗装が剥げたり、キズが付いたりした時のメンテナンスも可能なようです。但し、状況に依りますので、必ず本人に確認のうえお願いします。
【私が伊勢正美のウキを出品する理由】
さて、そこで…。
私の友人でもある伊勢正美とも相談し、彼より入手した私の手持ちのウキの中から、私のネーム（※１）が入っていない幾つかを出品させていただきます。
尊敬する良き友人・伊勢 正美のウキを少しでも釣師の皆様に知っていただけたらとの思いであり、絶対に後悔しないであろうことを確信しての出品です。
どうか伊勢正美渾身の作品を手に取ってみて、使ってみて下さい。
充分にご納得頂けるウキかと思います。
（※１）ネーム…別途に費用はかかりますが、（※２）会員になり、伊勢さんにウキを注文して、そのウキに自分のネームを入れて貰う事ができます。
（※２）★会員になりたい方は私の方からも紹介させていただきます。落札後になりますが、メールにてお問い合わせください。塗装の注文（ヘッドを◯◯色にして欲しい）とか、ウキへのネーム入れとか、もちろん浮力の注文とか…何かと楽しいものです。自分独自のウキができると愛着もひとしお、不思議なもので、そうなると更に釣れ出したりするんですよね。欠点と言うか難点はウキを飛ばした時です（むちゃくちゃ辛いです）。
【ウキのリング穴径について】※製作者・伊勢 正美氏よりコメント
『下部リングの内径ですが、基本的に００～Ｇ２は２.０ｍｍ、Ｂ以上がウキ止め不要の０.８ｍｍになっています〈（注）そうでない場合もあります〉。上部リングは全種内径３.０ｍｍです。
「上下ダブルリング」で３０年ほど前に実用新案を取得しましたが、現在は（特許期限が）切れており各メーカーが上下リングで出しています。
その時「上下クッションゴム付き水中ウキ」でも実用新案を取得しましたが、これも現在切れております。
ゴールドリングも私が最初にウキに装着しました。
上下リングは「衝突割れ」を緩和するために、０.５ｍｍ内側に押し込んしであります。これもウキメーカー初の事ですが、そのうちに外のメーカーもやって来るでしょう。
以上がスペックと特徴と裏話しになります。よろしくお願いいたします。』
【書体について】
書体は『鬼滅の刃』の文字を担当した（株）昭和書体様にお願いしたと聴いています。
【その他】～お願い～
御縁を戴き、ここまでお読みになってくださった貴方様や伊勢正美のウキを落札してくださいました釣りを愛する貴方様は、なかでも、一際釣りを愛し、一際自然を愛する、素敵な釣師さんだと思います（私が看る限り、体験する限り、圧倒的にそうした方が多いようです）。
釣りは、中でも［ウキフカセ釣り］は、我が日本国に於いて、その歴史も永く、伝統文化そのものです。
その釣りに於ける重要な要素を持つウキ造りの文化に於いて、伊勢 正美こそが、その思い、その技術、その完成の様に於いて、その先頭を走る人物（旗手）かと思います。
彼はウキ造りを通じて、世界中が決して真似のできない、日本国が誇る釣り文化という歴史を創造する者でもあります。
どうか、今後とも、伊勢 正美と伊勢 正美が造るウキを使い続けてやってください。
その行為こそが、伊勢 正美の明日を再生し、ひいては日本の釣り文化を護り、貢献して行く行為ともなるのです。
一口に「ウキフカセ釣り」と言いましても、最近では諸物価も高騰し、釣りに行って帰って来るだけでも多額の費用が要るのも事実です。
特に若い方たちは大変です。
ただ、願わくば、そうした状況下ではありますが、是非、釣りを生涯末永く愉しんで欲しいと願っています。
６０年以上様々な釣りをして来て今更に思うのは『釣りは人生を豊かにしてくれる』という事です。
貴方様の釣り人生が、安全で、愉しく、豊かでありますよう祈念しています。
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